コラム特殊造型とCG

2016-08-22|

特殊造型とCG

 CG技術の使われ方の変化 

CG技術というとSFやファンタジーなど実在しない世界を作り上げるために使われるというイメージが強いですが、
最近では技術や機器の発達によりその使われ方が大きく変わってきています。
例えば、1970年代の風景を再現するために街ごとCGを使って作ったり、
一人の俳優の顔を他の俳優の顔の部分をCGで合成し双子のように見せたり、
実写と並べても遜色ないリアリティーを保てるようになったからこその使われ方が主流になってきました。
また、3D映画の普及でさらなる細密な映像表現が必要とされており、
その実現にもCG技術は大きく貢献しています。

 CGの効果を最大限に引き出す特殊造型と特殊メイク 

このようなCG全盛の時代には、特殊造型の技術はもう必要ないのでしょうか?
そんなことはないようです。
例えば、近年人気のアメリカンコミックを原作とした映画の数々では、
様々なコスチュームを着たヒーローやモンスターが登場します。
こうした映画の荒唐無稽な登場人物たちにリアリティーを与えるためには、
特殊造型によるコスチュームと特殊メイクによる変身が必要不可欠です。
CG処理はこのようにコスチュームとメイクによって変身した俳優が演じた後、さらなるリアリティーを実現するために使用されます。

 CG技術と特殊造型・特殊メイク技術の融合 

こうしたCG技術と特殊造型・特殊メイク技術の融合の例は他にもあります。
例えば、撮影に必要な特殊な小道具を作る際、CGである程度までデザインし、その後データをそのまま立体化できる3Dプリンターで出力して、
さらに出力したものの型を取り別素材に置き換えたり、細かな造型処理を加えることで、リアルかつ扱いやすい造型を実現しています。
何よりCGを使用して作るにしても、その造型力の源泉となるのは、
実際に手を動かして作る特殊造型や特殊メイクの高い技術によるところが大きいのは言うまでもありません。
このようなCG技術と特殊造型・特殊メイクの融合は今後さらに深まり、
今まで誰も見たことが無い映像表現を実現してくれるでしょう。

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2016-08-22|
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