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ゾンビに見る特殊メイクの変遷
ゾンビに見る特殊メイクの変遷
ゾンビが登場する映画作品は、ホラーの王道とも言える作品です。
ゾンビの特殊メイクがリアルであればあるほど、恐怖感も増します。
そんなゾンビが世界で初めてスクリーンに登場したのは、
なんと今から80年以上も前のこと。
当時は、蘇った死体、動く死体という程度の役割に過ぎませんでした。
その後、初めて墓から這い出るといった演出が加えられたのが1968年。
これがニューヨーク近代美術館にも所蔵されている
「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」という作品です。
これ以後、青白い顔で両手をつき出した定番のゾンビスタイルが生まれ、
グロテスクなスプラッター映画から、笑えるコメディのゾンビ映画など
様々なカテゴリーが派生しました。
そして当然、この歴史の流れには特殊メイクの進歩が伴っています。
死体の血色を表現したり、髪の毛をまばらに梳いたりするメイクに加えて、
血糊を使った傷メイク、人工皮膚を使った特殊造形にCGを組み合わせるなど、
少し挙げただけでもその進歩の速さがうかがえます。
特殊メイクが定着する過程を語るとき、
マイケル・ジャクソンの「スリラー」は避けて通れない作品です。
楽曲「スリラー」のミュージックビデオとして制作された
約14分のショートフィルムは世界的な人気を獲得し、
マイケルの名を不動の地位に押し上げました。
ここで時間軸として注目すべきなのは、
映画「狼男アメリカン」でゾンビメイクの秀逸さが評価されたのが1981年。
そして、「スリラー」が発売されたのが1982年。
さらにアカデミー賞に特殊メイク部門が設置されたのも1982年という点です。
特殊メイクが盛り上がっている時期に発表された
人気アーティストのショートフィルムですから、話題にならないはずがなく、
「狼男アメリカン」と「スリラー」両方の特殊メイクを担当した
リック・ベイカーは、当然のようにアカデミー賞を受賞しました。
昔から、プロによる特殊メイクは世間の心を動かし続けています。
常に進歩し続ける特殊メイク業界ですが、
たくさんの人の心に響く作品を作り上げることができるのは、
プロフェッショナルだからこそではないでしょうか。
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